従業員スタッフにライバル視が消せない美容師特有の性分

  • 2017-2-13

美容師さんはその道を志したときから、常に技術向上に心血を注ぎ沢山の経験を経てプロのスタイリストに成長してきた人。

やがて長年の経験から得た自信を武器に独立開業して自分の店を立ち上げていく。

開業して経営者にシフトした以上、スタッフを雇用して自分のお店を盛り上げていくという確固たる目標もあるだろう。

しかし、

とかく後輩であるスタッフの向上に対してなかなか合格点をあげられないという、いわば経営面においてのマイナス面も併せ持っているのだ。

 

スタッフに対し、一般のお客から見れば、それなりの技量を持ち得たとしても

いやいや、奴はまだまだなんだ。修行が足りない。

という目線で見てしまいがちなのだ。

 

技術を売りにしていく職種ゆえ、この基準は決して悪いことではないのだが、特に独立開業後は、

後輩スタッフのポテンシャルや自分とは異なる魅力を削いでしまう立場になりかねないのだ。

 

常に自分の技量だけを頼りに生きてきた美容師としての生い立ちがそうさせてしまうともいえる。
特に自分と共に、従業員時代に後輩として目をかけてきたスタッフを雇用して開業したような場合、どうしても後輩が自分を超えてしまうことに対する恐怖が根底にあったりする。

 

開業後、仮に自分よりも後輩スタッフの方が売上をあげたり、自分より客からの人気を得たりすると

くそ、負けていられない、奴より私のほうが上なのに。

という心が、経営というフィールドにおいて邪魔をしたりすることもある。

スタッフに加えた人材というのは今までのようなライバルとは違うのだ。

自分とスタッフの大義は、一緒にこの店を盛り上げて共に多くの客を満足させようという協力者ほかならない。

 

開業オーナーになった以上、主役は後輩に譲って、

一人でも多くの後輩のファンを呼び寄せる仕掛け人に徹する

という視点で運営していった方が、結果的に後輩との信頼も深まり、運営もうまく進んでいくことが多いのだ。

 

生涯技術者で誰よりも自分が1番のスタイリストとして生きていくという経営スタイルももちろんある。

だが、この気質が強いゆえに今ひとつ伸び悩む店もまた多いということ。

 

開業して数年後には、自分の経験値でスタッフを測るのではなく、平均点以上の技量を感じたのなら、どんどん実務の機会を作ってあげて、さらなる成長を見守るという姿勢で運営していくというやり方も大いにありなのだ。

 

極論かも知れないが、

開業したら現場は後世に譲り、経営者としてひたすら活躍の場を作り出すことに徹する。

すなわち、スタイリストを退く覚悟を決めるという生き方もあるというわけだ。

とはいえ、技術者育ちの美容師さんにとって、それは非常に覚悟のいる決断であるし、それこそ簡単ではない。

 

だが、

開業時から精力的にスタッフを雇用して着実に人員を増やし、いつしかオーナーの自分は本当に大事な客だけは今まで通り対応しているが、殆どの業務は自分が機会を与えた優秀なスタッフ達が、

自分が立ち上げた店の為にひたすら頑張ってくれている。

こういう環境が作りあげたオーナーへの客の評価は想像以上に高いもの。
スタッフより自分の方がすべてが上でありたい葛藤は、技術者ゆえの性だが、

すなわち独立開業は技術者をなるべく早く退き、経営者として生まれ変わるということでもあるのだ。

 

 

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