10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い ヘアサロン開業アカデミー

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店がオープンして最も重要なのは開業後の半年間

開業して、自分のお店を持ったら、最初からガンガン売り上げて繁盛させるぞ!と楽天的に考えたいものですね。たしかに開業当初からメチャクチャ経営がうまくいく店も確かにあります。しかし、それらはほんの一部の店であることを想定しておきましょう。なぜならば、店舗の運営が軌道に乗るまでというのは、それ相応の段階というものが必要なのです。これ、自動車のギアチェンジのプロセスと非常によく似ています。自分が想像している絶好調の運営は、いわば、自動車が高速走行の段階の感覚の時と同じなのです。クルマが徐々にスピードを上げていくプロセスを事前に想定しておきたいものですね。

開業直後の店舗運営は、とにかく苦しいもの

念願の美容室、理容室を独立開業し出店に成功し、喜んでみたのはいいけれど・・・
早速、開業1ヶ月目から地獄の日々に・・・

という悩みを多く相談されます。開業したら・・・

もっとうまくいくと思ったんだけど・・・こんなはずじゃなかった。・・・

“こんなはず”って?

これって、開業オーナーさんが、
きっと、こうであろうと想像していた個人的な思い込みでしかありません。

現在、順調に美容室、理容室を運営しているたくさんのお店は共通で「最初は本当に辛かった」と言います。

最初の3ヶ月目までは、1日に1人もお客さんが来ない日もあった・・・と言います。

でも、あらかじめ「そんなものなんだ」という想定もしておくべきなのです。

車で例えると、地道にエンジンを吹かしてスピードを徐々に上げていく段階

これとにたようなリズムが独立開業直後にあるのです。

それは、まるで自動車のギアチェンジのプロセスと同じようなもの

私は常々、開業オーナーさんたちにこんなアドバイスをしています。

開業後1年間は自動車が発進するプロセスで例えると、まだまだ満足が行くスピードが出ない時期・・・

ギアを1速から4速まで上手に繋いでいく、このようなステップを踏みながら徐々にスピードを上げていくプロセスの時間が必要なもの。1年間を4つに分けると、3ヶ月間×4ですね。

自動車のギアで例えると

開業直後から3ヶ月後まで、ギア1速目

3ヶ月後から6ヶ月後までが、ギア2速目

6ヶ月後から9ヶ月後までが、ギア3速目

9ヶ月後から開業後1周年まで、ギア4速目となる。

元々、自動車が出せる最高時速を出しきれる時というのは、

4速ギアに繋がってから、しばらくして出せるもの・・・

美容室にかぎらず、店舗の運営もまるで同じことが言えるのです!

想定していたスピード感と手応えを感じられるのは、開業してから1周年を過ぎてから!2年目以降ということなのです。

この想定をせずに開業初年度を迎えると、それは誰もがパニックするのは当然ですよね。

中でも、最も辛く、最も手応えが得られないのはスタート直後の3ヶ月間

最近はほとんどがオートマチックの自動車だと思うので、中にはピンとこない例えかもしれませんね。ギア変速がマニュアルの自動車やバイクを運転する人ならおわかりいただけるでしょう。

 

自動車やバイクにおいて、ギア変速、1~4の間で

最もスピードが出ず、最も緊張する時、最もガソリンを大量に消費するのは?

もちろん、ギア1速目(ローギア)の時ですね。

運転も慣れるまでは、誰もが何度も失敗をしたことでしょう。

上手にタイミングよく操作しないと、たちまちエンスト。

ギア2速目にに繋げることすもできないわけで、とにかく一番神経を使うプロセスでしたね。

タイミングを間違えた操作のもと仮にギア2速目に繋げても、まだまだ危うくエンストすることろだった・・・ということもありますよね?そう、初期段階はとにかく全然油断できない緊張マックスのときなのです。

 

これをお店の運営に置き換えると、ギア1速~2速のときまで・・・すなわち、

開業直後から半年間がメチャクチャ大変で、超神経使うし、結果も全然出ない、手応えも全然感じれない時期なのが普通なんです。

この半年間を、もっと絞り込んで考えると、

最初の3ヶ月(ギア1速目)の頃は、?も~、本当に、辛い!地獄だと感じるときかもしれません。

↑実際これ、過去の沢山の開業者さんの生の声。

ようやく念願の開業を果たし、やっとの思いで手に入れた自分のお店ですが・・・

お店そのものの性能、本来のポテンシャルを発揮させるまでは、クルマと似ていて

とにかく半年慌てずに乗り切ることなんです!

すなわち、とにかく絶妙にギアを操作し、3速目までとにかく繋げるまでのプロセスなのです。

1速目、2速目まではスピードが出なくて当然の現象です。いわば予定通りのこと。

半年後、3速目に繋げた時点でさえ、まだまだスピードは感じませんよね。

むしろ、エンストの心配が消えただけの時期です。おそらく9ヶ月目あたりから「お!いよいよココからかな?」と手応えというより、行けそうだぞ!と期待が高まる頃を迎えるでしょう。

ただし、これまた自動車と同じ、すべては、1速目から絶妙に、抜かりなく、4速目まで上手に繋げられたらの話です。

中には開業直後、すなわち1速目なのに、「あれ?なんでスピードでないんだ?おかしいぞ」とばかりに、まだ、初速も出ていないのに焦ってギアを2速に入れてはエンストを繰り返す・・・そのうち黒い煙を吐き出しながら一向にクルマが動き出さないまま3ヶ月が経過・・・

 

みたいなことも開業ではよくある失敗事例に繋がります。

中には、開業直後から絶好調という、非常に運良く最初からターボがかかるような開業事例もあるかもしれませんが、これは稀なことなのだと考えて、一般的には、あらかじめ想定しておくべき法則として、

とにかく1周年を迎えるまではなかなか大きな手応えが得にくいということ

そういうものなんだという「想定内」を自分に入れておくことが重要です。

まとめ

店舗の運営は開業直後から絶好調というのは稀でのことと想定しておくべきです。開業直後の経営スタート時期は一般的に誰もが辛い思いをします。初めて自動車運転をし始めた頃を思い出してみてください。経営に関しても初体験、自動車もお店も”運転”することにまだ全然慣れていない時です。開業前に想像していた開業後の快適さというのは、本来開業から2年目にさしかかるころから感じれることと想定しておきましょう。とにかく開業から1年間、まさしく試運転期間、自分のお店の運転に慣れるための1年間です。慣らし運転が済んだら2年目から安全運転前提ですが、スピード出して快適さを満喫しましょう。店舗運営が軌道に乗るまで、自動車のギアが4速目まで無事に繋がるまでのプロセスと同じということです。

著者:

ヘアサロン開業アカデミー代表
美容室開業プロデューサー

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